業者の提案を鵜呑みにしないで!~キーワード選定・ディスクリプション(description)~
経営者である先生方のもとには日々、営業や業者、コンサルの方からさまざまな情報が入ってくるでしょう。
それらの情報の中にはもちろん有益な情報もたくさんあるかと思いますが、中には間違った情報や適切ではないアドバイスも含まれていることと思います。
歯科器材や材料、治療法については、専門家である先生方はその情報が正しいかどうか、取り入れるべきかどうかの適切な判断をされていることと思いますが、WEBに関しては業者やコンサルから言われた提案をそのまま受け入れてしまっているという先生も多いように思います。
ここでは、実際に合った事例をご紹介します。
【case1】検索数の多いキーワードで上位表示させましょう!
先生から、営業に来た業者さんからこんな提案を受けたんだけど・・・と相談を受けました。
提案された内容
- 最寄り駅名より、「東京」の方が検索数が多いため、「最寄り駅名」ではなく「東京」で上位表示させるようにした方が良い。
- 先生の医院は自費治療が中心で治療のクオリティが高いため、東京全体から患者さんを集められる。
- HPのタイトルのキーワードを変えた方が良い。
- タイトルには左側に置いたキーワードの方が強く対策されるので、「東京」を一番先に書いた方良い。
設定していたタイトルタグのキーワード
(最寄駅名)の歯医者、××歯科医院(東京都△△区)
変更を提案されたタイトルタグのキーワード
東京の歯医者、××歯科医院(△△区(最寄駅名))
当社から先生のご説明した内容
業者の方からご提案された内容で、「東京」の方が検索数が多いというのはその通りです。
実際に検索されている数を調べてみると下記のようになっており、「東京 歯科(歯医者)」で上位表示させることが出来れば、そちらの方が多くのアクセス数が見込めるかと思います。
【参考データ】
東京 歯科 1,300
東京 歯医者 1,900
(最寄駅名) 歯科 320
(最寄駅名) 歯医者 580
ですが、タイトルをご提案のものに変えるのことで、コンバージョン率(お問合せ率)が下がるリスクも考えられます。
範囲の広いキーワードはコンバージョン質が低い
キーワードを「東京」に変更することでアクセス数の増加は狙えるかもしれませんが、逆に言えば、範囲を広げれば広げるほど、コンバージョン率は落ちます。
当然ですが、「東京」で検索している方よりも、(最寄駅名)で検索している方の方が、見込み客度は高くなります。
実際にリスティング広告のキーワード分析でも、より範囲を絞ったエリアキーワードの方がお問合せ率は高い傾向があります。
先生の場合、ブログもやっていただいておりますので、地元の方以外のアクセスが非常に多い状態で、東京にかかわらず全国的にみられており、アクセス数でみても、一般的な歯科HPの月のアクセス数の目安は約800~1,200程度ですが、先生のサイトは月20,000以上のアクセスがあります。
そのため、これ以上範囲を広げる必要はなく、むしろ現状の課題としては、「アクセス数」よりも「コンバージョン率」を上げるような施策を考えるべきかと思います。
具体的には、現在「(最寄駅名)歯科/歯医者」というキーワードで、先生のサイトは7~8位ぐらいで、ギリギリ1ページ目に入っている状態ですので、むしろこちらの順位を上げる施策を考えた方が良いのではと思います。
現在タイトルタグには先生のご要望により「東京」というキーワードを含ませていますがタイトルに入れるキーワードはなるべく絞った方が上位表示が見込めますので、東京を外して最寄り駅にターゲットを絞り、下記のように変更するのはいかがでしょうか?
こちらから再提案したタイトルタグのキーワード
(最寄駅名)の歯医者、××歯科医院
先生のご判断
東京のキーワードを外す案は良いかもしれないけど、ブランディングのためにも入れておきたい。
業者の人から提案は受けたものの、現状困っていないしうまくいっているので、このままの調子でやっていきたい。
【case2】SEO改善のためにメタディスクリプションを設定しましょう!
「サイトのSEO順位を上げるために、ディスクリプション(description)を設定した方が良いです」
「それぞれのページに、それぞれのキーワードを埋め込んだディスクリプション(description)を設定した方が良いです」
こんなな提案を受けたんだけど・・・。とご相談を受けるケースがとても良くあります。
ディスクリプション(description)とは、簡単に説明すると検索結果画面に表示されるページの紹介文で、下記のように表示されます。
結論、ディスクリプションの設定はSEOに直接的な影響を与えません。
2009年、Googleは公式にメタタグがSEOに影響しないことを明言しています。
https://developers.google.com/search/blog/2009/09/google-does-not-use-keywords-meta-tag?hl=ja
また、2017年の Google WebMasterでも、Googleのジョン・ミューラー氏から改めてディスクリプションの設定はGoogle のランキングに影響しないことが明言されています。
30:00~ディスクリプションについての説明
ディスクリプションの説明を変更したり、長くしたり短くしたり、微調整したり、そこにキーワードを入れたりすることがサイトのランキングに影響するわけではありません。
とはいえ、検索結果画面に表示される部分ですので、クリック率には影響を及ぼすと考えられます。
ディスクリプションに検索キーワードが入っていたり、ユーザーの検索意図に合った内容が含まれていたりすると、クリック率が高まりますので、クリック率のためにもディスクリプションは設定した方が良いという業者の方もいるでしょう。
ですが、ディスクリプションに設定した文章が必ずしも検索結果画面に表示されるとは限りません。
むしろ現在では、ディスクリプションに設定したキーワードが検索結果画面に表示されないケースの方が多くなってきています。
「スニペット」と「ディスクリプション」の違い
上記の説明で、「ディスクリプション(description)とは、検索結果画面に表示されるページの紹介文と説明」させていただきましたが、より正確に説明すると、検索結果画面に表示されるページの紹介文は「スぺニット」と呼ばれる部分で、ページ内容の要約や、ディスクリプションに入力されているものから抽出された要約文のことを言います。
今までは、このスニペット部分に表示される文章が、ディスクリプションで設定された文章であることが多かったため、この枠そのものを「ディスクリプション」と呼ぶ場合も多くありましたが、正確に言うとディスクリプションは、Googleがスニペットに表示する文章を決める要因のひとつです。
ですが最近では、このスニペットはディスクリプションの内容ではなく、ページ内のコンテンツをもとに生成されることが多くなり、 2024年1月5日には、Googleは「検索結果のスニペットを管理するドキュメント」を更新し、正式に、「スニペットの主なソースは構造化データとやディスクリプションではなく、ページのコンテンツ自体である」である旨を明確にしました。
「検索結果のスニペットを管理する」説明ドキュメント
https://developers.google.com/search/docs/appearance/snippet?hl=ja
更新理由
スニペットの主なソースを明確にする
内容
スニペットに関するドキュメントで、スニペットの主なソースはページ コンテンツ自体であることを明確にしました。
理由
以前の文言では、構造化データとメタ ディスクリプション HTML 要素がスニペットの主なソースであると誤って示唆されていたため。
つまりGoogleは、通常はページ上のコンテンツを利用しスニペットを生成しているが、ディスクリプションの方がふさわしいと判断した場合にのみディスクリプションの記述を利用する、ということです。
ディスクリプションは必要か
日々WEBサイトの管理運用や分析を行ってきた方であれば、ディスクリプションがスニペットに使われないケースの方が多いという事実は感覚的に解っていたことでしょう。
ですが、ディスクリプションタグを適切に記述するのは、長らく有効と言われてきた基本的なSEO対策の一つであるため、未だにディスクリプションの記載を勧める業者も多いのだろうと思います。
ですが、ディスクリプションがスニペットとして使用されることが少ないのであれば、ページごとにディスクリプションを設定するのはかける労力に対する費用対効果が悪すぎる施策ともいえます。
Googleのウェブスパムチーム/品質管理チームの責任者であるマット・カッツ氏も、ディスクリプションの設定方法について下記のようにアドバイスしています。
Googleはユーザーの検索キーワードに応じて、そのページに書かれているテキストをもとに適切な文章を生成するため、descriptionタグを使わないという手段を取ってもいい。
もしも、Googleによって自動生成された文章が気に入らないページがあるなら、そのページにだけ、独自のdescriptionタグを記述すると良い
スティーブ・ジョブズの名言にも、「戦略で最も重要な決定とは、何をするかではなく、何をしないかを決めることだ」という言葉があります。
無駄な費用や労力を使わないためにも、業者や営業マンから言われた提案を鵜呑みにせず、ネットや本を使って調べるなど、先生ご自身で正しい情報か見極める癖をつけることが大切です。
セグナ株式会社:https://segna.jp/
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